肩関節
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脱臼
鏡視下Bankart & Bristow変法の手術手技
-2 nd stage-
鈴木 一秀永井 英上原 大志筒井 廣明
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2014 年 38 巻 2 号 p. 448-451

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抄録

 安全で確実な骨癒合を目的とした鏡視下Bankart & Bristow変法(ASBB法)の手術手技を提示し普及させることを目的とした.外傷性肩関節前方不安定症例12例(平均19.7才)を対象とした.ロッドをsplitした肩甲下筋々間より関節内に挿入する際,脊椎MEDで使用するダイレーターを用いて肩甲下筋々間を拡大する.関節窩内側の至適位置にガイドピンを刺入,ドリリングした後,ACL再建の骨孔作製用ドリルを用いて関節窩の烏口突起移行部を掘削する.ダイレーターを用いる事で,関節窩のドリリング時に肩甲下筋を巻き込まない,烏口突起移行部の母床状態が鏡視可能,肩甲下筋々間が容易に拡大できるなどの利点があった.ACLドリルを使用する事で烏口突起移行部の母床の掘削が容易かつ確実に施行可能であった.本法は既存の器械を使用することで,安全かつ簡易に施行可能な手術手技として普及することが期待される.

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© 2014 日本肩関節学会
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