2014 年 38 巻 3 号 p. 795-797
今回の研究の目的は当院における肩関節脱臼に対するStimson法の整復率について調査することである.当院救急外来にて研修医がStimson法で整復を行った肩関節前方脱臼21例22肩(平均年令60.8歳,男性13例,女性8例)を対象とした.外傷性脱臼が14肩,反復性脱臼が8肩であった.整復できた群をStimson法群,Stimson法で整復できなかった群をFailure群とし,比較を行った.当院におけるStimson法の整復率は40.9%(9/22肩)であった.他の13肩はzero position法で整復された.Failure群13肩では年齢が高く,合併損傷を伴う外傷性脱臼が多い傾向にあった.Stimson法は簡便で,非侵襲的だが,整復時間を要することや低い整復率が問題である.当施設においても40.9%と他の整復法と比較して低い整復率であった.