2015 年 39 巻 2 号 p. 401-404
本研究の目的は, MRIによるGoutallier分類(G分類)とDixon法を用いたfat fraction(ff)の検者間信頼性を検討することである.対象は,38例38肩(男13肩,女25肩)で手術時平均年齢は67歳(42-80歳)であった.3T-MR装置を用い,T2強調像およびDixon法の撮像を行った.画像評価は,2名の整形外科医がそれぞれG分類の評価およびffの算出を行った.検者間信頼性の評価には,G分類,ffそれぞれκ検定,級内相関係数(ICC)を用いて行った.G分類のκ値は,0.42(95%CI,0.18-0.66),ffのICCは,0.96(95%CI,0.92-0.98)であった.従来から脂肪浸潤評価に用いられているG分類の検者間信頼性は低かった.一方でDixon法を用いたfat fractionは,高い検者間信頼性を示し,客観的指標の一つになる可能性が示唆された.