肩関節
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検査
IDEAL法を用いた腱板筋脂肪変性の定量化と腱板修復術前後の比較
佐々木 康人落合 信靖佐々木 裕山口 毅木島 丈博橋本 瑛子
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キーワード: 腱板断裂, IDEAL, 脂肪変性
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2015 年 39 巻 2 号 p. 409-412

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抄録

 腱板筋脂肪変性は定性的評価法であるGoutallier 分類を用いた報告が多いが,定量的評価での報告,特に腱板修復術前後での脂肪変性を定量的評価で行った報告は少ない.Iterative Decomposition of water and fat with Echo Asymmetry and Least-squares estimation(IDEAL)は新しい水 • 脂肪分離技術法であり,水と脂肪を高い精度で分離できる定量的評価が可能なMRI撮像法である.今回我々は,IDEAL法を用いて関節鏡視下腱板修復術前及び術後早期の腱板筋の脂肪変性および筋萎縮を断裂サイズごとに評価したので報告する.術前,術後早期にIDEAL法を施行し得た33例33肩(平均年齢66.2歳)を対象とした.棘上筋中断裂以上の症例で,術後早期の脂肪含有率の減少及び断面積の増加を認めた.棘下筋,肩甲下筋については脂肪含有率及び断面積に有意差は認めなかった.棘上筋中断裂以上の症例については,術前の脂肪変性の評価は正確ではなく,術後早期の評価が重要であると思われた.

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© 2015 日本肩関節学会
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