2017 年 41 巻 2 号 p. 355-357
【はじめに】本研究の目的は,烏口肩峰靭帯(以下,CA)の肩峰下面の厚みを調査し,腱板断裂との関連について検討することである.
【対象と方法】対象は,鏡視下腱板修復術と肩峰下除圧術を施行された腱板完全断裂128肩である.術前MRIにおけるCAの肩峰下面の厚みを,肩峰前方1/3(A),中央1/3(M),後方1/3(P)の3ヵ所で計測した.棘上筋腱単独断裂群(S群:77肩),棘上筋腱+棘下筋腱断裂群(SI群:51肩)の各値を比較検討した.
【結果】AおよびMにおいてS群はSI群よりも有意に高値を示した(p<0.001).Pにおいて2群間で有意差はなかったが(p=0.08),S群のほうが大きい傾向であった.
【まとめ】CAの肩峰下面の厚みを術前にMRI評価することは,切除範囲を決める上で有用であると考えた.