2017 年 41 巻 3 号 p. 645-648
肩甲下筋腱(SSc)断裂と3D-CTによる結節間溝(BG)形態や小結節内骨嚢腫との関連を検討した.対象は鏡視下に腱板断裂に対する手術を施行した120例124肩である.手術時平均年齢は61.9(38-80)歳であった.術前3D-CTでのBG形態を5つに分類し,小結節内の骨嚢腫形成の有無を評価した.鏡視所見にてSSc断裂を永澤分類と井手分類で評価した.124肩中,BG形態はType1:35肩,Type2:22肩,Type3:12肩,Type4:41肩,Type5:14肩であった.小結節内骨嚢腫は29肩に認められた.BG形態のtypeが変化するに伴い,永澤分類や井手分類によるSSc断裂の程度は有意に重症化していた.また,二つのSSc断裂の鏡視分類の進行と,小結節内骨嚢腫の有無に関連を認めた.術前3D-CTによりBG形態や小結節骨内嚢腫形成を評価することは,SSc断裂の重症度の予測に有用である.