抄録
超音波断層法による肩関節前方不安定性の定量評価を行なった.肩関節の不安定性のない5例(対照群),平均年齢18.6歳,肩関節脱臼による前方不安定症11例の術前(不安定群),および鏡視下Bankart修復術後(手術群)平均年齢22.4歳を対象とした.使用機種はLOGIQS7(GEヘルスケア)で仰臥位,前方走査で肩甲関節窩前縁を描出しながら,肩関節外転0°,45°,90°最大外旋位でrelocationテストの手技を行い,上腕骨頭の前後方向の変位量(AHT)を測定した.肩関節外転0°,45°,90°におけるAHTは対照群ではそれぞれ平均0.7 mm,0.8 mm,0.9 mm,不安定群では1.8 mm,0.9mm,2.1mm,修復群では0.9mm,0.5mm,1.1mmであり,不安定群のAHTは他群と比較して外転0°および外転90°において有意に大きかった.