主催: 土木学会
共催: 日本気象学会, 日本建築学会, 日本風工学会, 日本鋼構造協会
p. 91-96
竜巻に伴う飛散物の挙動を明らかにすることを目的として、自由空間中で竜巻状渦を形成できる竜巻模擬装置を用いて竜巻状渦による飛散物の再現実験を 行うとともに、竜巻状渦のDPIV計測データを用いて竜巻に伴う飛散物の軌跡を求めた。装置を静止させて行った実験の結果、竜巻に伴う飛散物は竜巻渦核よりも大きな円軌道を描き、最終飛翔速度はその高さにおける最大接線速度よりも小さいことがわかった。また、装置を移動させて行った実験の結果、飛散物の軌 跡はトロコイド曲線となった。実際起こった竜巻に関して、レーダー観測結果や飛散物の堆積地点、撮影された動画などからその渦構造を推定する際に、本実験 で得られた知見が役立つ可能性がある。