本論では,物体に固定した非慣性系座標でのLESの基礎方程式を示すと共に,非慣性系座標における計算領域外側の境界条件を明記した。そして,本論で示した計算手法により辺長比2の風直交方向と捩れ方向の強制加振振動時ならびに自由振動時の計算を行った。計算結果は,矩形構造物の風直交方向ならびに捩れ方向の非定常空気力を良好に再現した。物体と共に回転する非慣性系座標においては,物体に遠い位置での計算領域外側境界で慣性系座標と大きく異なる風速分布となるが,本論で示した境界条件を用いることによりスムーズな境界値が設定でき,物体に固定された並進と回転移動を伴う非慣性系座標によるLESが効率的に計算できることが示された。