主催: 日本気象学会
共催: 日本建築学会, 日本風工学会, 日本鋼構造協会, 土木学会
p. 475-
原子力発電所事故時の迅速な放出量推定手法の構築を目指し、単位放出源強度に基づく拡散シミュレーション結果から観測地点の大気拡散物質濃度の伝達係数を評価し、この伝達係数と観測値から放出源強度を求めるいわゆる逆解析を用いた放出量推定の(STE: Source Term Estimation)手法を開発した。本報では、放出源近傍の観測データに適用するため、拡散シミュレーションとして、厳格な技術基準の下で実施された風洞拡散実験データを正規拡散式で近似する拡散モデルを比較対象として用いこれに基づく逆解析法を検証した。これにより、風向変動に起因する放出量推定精度低下を改善する対策として、1時間平均観測データを用いることで精度改善が図れることを確認した。