抄録
噛みしめと身体機能の変化については種々の研究が行われているが,咬合接触面積の大きさと握力の強さについて 検討した報告はほとんど見当たらない.そこで本研究では,本学学生 20 名の被験者を対象に,握力測定により得られた握力と,握力測定時にデンタルプレスケールを噛ませて得られた咬合接触面積および咬合力とを比較することにより,咬合接触面積および咬合力が握力に及ぼす影響について検討した.その結果,噛みしめ時と開口時の握力を比較したところ,噛みしめ時の方が開口時よりも有意に握力が大であり,利き手側と非利き手側の咬合接触面積および咬 合力については,利き手側の方が非利き手側よりも咬合接触面積および咬合力が大である傾向が認められた.また, 男性群の総咬合接触面積および総咬合力は,女性群よりも有意に大であることがわかった.さらに,咬合接触面積が広いほど咬合力が大であり,握力も有意に強くなることがわかった.