形態・機能
Online ISSN : 1884-6084
Print ISSN : 1347-7145
ISSN-L : 1347-7145
原著論文
Z世代を対象としたセルフハンドマッサージによる肩こりおよびストレスの変化
佐藤 郁代涌井 忠昭辻下 聡馬齋藤 英夫中村 真理子
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 20 巻 1 号 p. 10-18

詳細
抄録

有訴率女性一位、男性二位の肩こりは、慢性疼痛へ移行し、さらなる症状を生み出す。その原因の1つにスマートフォンの利用によるストレートネックがある。Z世代はスマホ世代と呼ばれるように、その使用率は高い。本研究ではZ世代を対象に、経穴刺激を組み合わせたセルフハンドマッサージを実施することによる肩こり感およびストレスの変化を明らかにすることを目的とした。その結果、肩こり感の緩和、左右僧帽筋上部筋硬度の低下および左右項部肩甲上部皮膚温の低下を認め、肩こりを緩和することが明らかとなった。さらに、血圧値および脈拍値の低下、POMS下位尺度の「怒り-敵意」「疲労-無気力」「緊張-不安」および「活気-活力」の低下を認め、ストレス緩和の一助になることが確認された。また、1日当たりのスマホ使用時間が長い者の場合、セルフハンドマッサージでは肩こりが改善されないこと、マッサージ前の左項部皮膚表面温度が高い者ほど、ハンドマッサージの効果が表れることが示唆された。

著者関連情報
© 2021 コ・メディカル形態機能学会
前の記事 次の記事
feedback
Top