経済論叢
Online ISSN : 2758-3988
Print ISSN : 0013-0273
論文
ホスピタリティ・サービスにおけるAI・DX活用の提言
石尾 和哉
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2024 年 198 巻 S 号 p. S51-S69

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抄録

今日の日本においては物質的な豊かさについては概ね充足感があり,精神的な満足を求める傾向がますます強くなっている。そのためサービス産業においてホスピタリティがさらに重視されると考えられる。今後ますますホスピタリティを確実に安定的に提供できる仕組み作りが重要になってくる。一方,ホスピタリティ・サービスは人的な接客を中心とするため,それに伴う様々な課題に直面するが,その解決のためにAI・DXを活用できる可能性がある。ホスピタリティ・サービスの実現過程は,まず適切なコンテンツの提供によるサービスの基本機能の充足があり,その上で提供者は顧客思いの心を根底に持ちつつ,受容者と適切なコミュニケーションを持つ。それによって,顧客の個別性への対応・価値共創が行われ,ホスピタリティ・サービスが実現される。その基盤の上で,信頼関係を醸成・強化する。このプロセスにおいて,様々なDX・AIによる支援が有効となる。

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© 2024 京都大学経済学会
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