抄録
前にTsukamura and Mizunoは, 35S-methionineとりこみ後に, 抗酸菌の脂質の薄層クロマト (thin-layerchromatography) を行ない, その放射性スポットの分布が菌種によつて種々のパターンを示すことを観察した. 大部分の菌種では, 菌種特有のパターンがみられたが, Mycobacterium scrofulaceum, M. gordonaeおよびM. flavescensでは菌株により異なる2つ以上のパターンがみられた. その後, M. avium, M. intmcellulam, M. scrofulaceumおよびM. gordonaeのパターンについて観察を続けたところ, M. gordonaeが菌株によつて異なる最も多くの異なるパターンを示し, 前3者の示すパターンはM. gordonaeのこれらパターンに含まれることがわかつたので報告する.