結核
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肺結核患者に接触した医療従事者のツベルクリン反応検査
築島 恵理三觜 雄高瀬 愛子
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2004 年 79 巻 6 号 p. 381-386

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抄録

[目的] 医療従事者が肺結核患者の診断前に業務上接触した場合に, 発端患者の排菌量および気道への処置の実施によってツベルクリン反応がどのように異なるか検討した。 [対象] 平成13年度に札幌市に登録された肺結核・喀痰塗抹陽性患者に関して, 入院中の病棟業務において肺結核診断前に患者との濃厚接触があった39歳以下の従事者でBCG既接種者415名とした。 [方法] 結核患者登録票より発端患者の状況および病棟での接触状況を分類し, これらの相違によるツベルクリン反応発赤径の分布の差を検討した。 [結果] 気道処置を実施された患者の接触者は, そうでない接触者と比較して有意にツベルクリン反応発赤径が大きかった。「排菌少, 処置なし群」では平均24.8mm, 中央値20mmで, 他の3群 (「排菌少, 処置あり群」平均35.8mm, 中央値31mm, 「排菌多, 処置なし群」平均33.1mm, 中央値28mm, 「排菌多, 処置あり群」平均35.3mm, 中央値31mm) に比べて有意に小さかった。 [結論] 排菌量が少量であっても気道処置によって結核菌の医療従事者への感染リクスが高まることが示唆された。

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