結核
Online ISSN : 1884-2410
Print ISSN : 0022-9776
ISSN-L : 0022-9776
肺結核患者の退院基準の現状
関東地区の結核病棟における退院基準に関するアンケート調査
柳澤 直志島田 尚登林 志文西尾 和三青木 洋敏高橋 正光
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 79 巻 6 号 p. 375-380

詳細
抄録

[目的] 関東地区における結核患者の退院基準の現状について調査した。 [対象と方法] 関東地区の結核病棟を有する主な医療機関に対し退院基準に関するアンケートを行った。 [結果] 有効回答率は63.0%であった。喀痰塗抹検査では主にZiehl-Neelsen法を行っているのが17.2%, 主に蛍光法を行っているのが72.4%であった。喀痰培養検査法では主に小川培地で行っているのが62.1%, 主に液体培地で行っているのが27.6%であった。退院基準の統一化をはかっている施設は79.3%であった。基準内容については塗抹陰性確認で退院を決定するものは11基準, 培養陰性確認で退院を決定するものは17基準であった。1施設は投薬2力月で退院としていた。喀痰検査の方法, 頻度, 確認回数, 判定基準において一定の傾向はみられなかった。 [結論] 退院基準に関しては各施設の治療成績等を検討し, 各施設, 地域社会にあった基準を作成していくべきと考えられた。

著者関連情報
© 日本結核病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top