結核
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結核の感染 (I)
青木 正和
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2004 年 79 巻 9 号 p. 509-518

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抄録

結核感染危険率が0.05%程度に低下した今日では, 結核の感染は感染源との接触者などに限られることが多いし, 新たに感染した者に化学予防を実施することは以前にもまして重要になってきた。しかし, BCG接種が長い間, 広く行われてきたわが国ではツベルクリン反応検査による感染診断がきわめて困難だったため, 感染の診断が難しく, 過剰診断がしばしば見られ, また, 感染についての行き過ぎた恐れが見られる場合もあった。このため, 結核感染に関する内外の文献を紹介しつつ感染に関する考え方を整理することを主目的として総説を試みた。本編では, まず結核感染の考え方の歴史的変遷を述べ, 次いで結核の感染に関与する3要因, つまり, 結核の感染源, 被感染者, 環境要因について総説した。

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