結核
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Line Probe Assay (Li PA) によるリファンピシン耐性結核菌群の喀痰からの直接検出
樋口 武史伏脇 猛司田中 奈加子三宅 正剛小倉 剛吉多 仁子高嶋 哲也中川 勝前倉 亮治平賀 通末竹 寿紀
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2004 年 79 巻 9 号 p. 525-530

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抄録

[目的] リファンピシン (RFP) 耐性結核菌群検出試薬「フィノスLi PA・Rif TB」 (以下, Li PA) を用い, 喀痰から直接結核菌群の検出ならびにRFP感受性判定についての可能性を評価した。 [方法] 喀痰130例を収集し, 「Li PA」ならびに「アンプリコアマイコバクテリウムツベルクローシス」 (以下, アンプリコア) にて結核菌群の遺伝子検出を行った。また, 培養陽性となったものに関してはRFP感受性試験を行い, 「Li PA」での判定結果と比較した。 [結果] 結核菌群84例中82例は「Li PA」で陽性となり, 喀痰から結核菌群が検出された。非結核性抗酸菌ならびに陰性46例はすべて陰性であった。検出感度は「アンプリコア」と同等の成績であった。培養陽性42例のRFP感受性試験の判定結果では, RFP耐性菌22例はすべて「Li PA」で変異型と判定された。RFP感受性菌20例では19例が野生型であったが, 1例は野生型と変異型の混在を示した。 [結論] 「フィノスLi PA・Rif TB」を喀痰に用いることでRFP耐性結核患者を早期に発見できれば臨床上非常に有用と考えられる。

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© 日本結核病学会
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