顕微鏡
Online ISSN : 2434-2386
Print ISSN : 1349-0958
特集:超高圧電子顕微鏡の医生物科学への応用
超高圧電子顕微鏡による嗅球のニューロンとグリアの三次元構造解析
樋田 一徳清蔭 恵美有井 達夫
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 43 巻 4 号 p. 250-253

詳細
抄録

超高圧電子顕微鏡の医学生物学領域への応用の最大の利点は,高エネルギー電子線による厚い切片の観察にある.更に厚い試料を傾斜して連続的な透過像をコンピューター画像処理することにより,切片内に埋もれている内部構造を高解像レベルで立体的に解析できる.この三次元トモグラフィー解析法は,通常の透過型電子顕微鏡の連続切片解析再構築法とともに脳内のニューロンやグリアの複雑な構造を理解するために極めて有効な解析手法である.本稿では超高圧電子顕微鏡の概要を筆者らの具体的な解析例とともに紹介し,その有用性と将来の可能性について論じたい.

著者関連情報
© 2008 公益社団法人 日本顕微鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top