顕微鏡
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講座
走査型電子顕微鏡によるゴルジ装置の形態解析
甲賀 大輔牛木 辰男
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2008 年 43 巻 4 号 p. 283-286

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抄録

精巣上体管主細胞,性腺刺激ホルモン産生細胞,脊髄神経節細胞のゴルジ装置の三次元立体微細構造を,オスミウム浸軟した組織を用いて走査型電子顕微鏡で観察した.精巣上体管細胞のゴルジ装置は,扁平なゴルジ層板がシス側を外側にして重なり,全体で火焔状もしくは,コップ状をしていた.一方,性腺刺激ホルモン産生細胞では,ゴルジ層板が同心円状に積み重なり,全体でシス側を外側にした球状のゴルジ装置を形成していた.また,脊髄神経節細胞では,小さいゴルジ層板の重なりが細胞質内に多数分散していた.いずれの細胞のゴルジ装置も,シス最表槽は扁平な板状の槽からなり,その表面には多数の小さな孔があいていたが,トランス最表槽の構造は細胞の種類によって様々で,管状と板状の槽の多様な組み合わせでできていた.なお,トランス最表槽は,しばしば粗面小胞体と接していたが,両者間に直接的なつながりはみられなかった.

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© 2008 公益社団法人 日本顕微鏡学会
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