顕微鏡
Online ISSN : 2434-2386
Print ISSN : 1349-0958
解説
新規生理活性物質キスペプチンKisspeptinと性機能調節神経系
~新しい間脳(視床下部)―下垂体―性腺系機能概念の構築~
小澤 一史託見 健澤井 信彦岩田 衣世中根 亮飯島 典生
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2011 年 46 巻 2 号 p. 111-118

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抄録

新規に発見された生理活性ペプチドである“キスペプチンkisspeptin”とその受容体であるKiss1r(またはGPR54)は,生殖機能を考える上で極めて重要な因子である.キスペプチンあるいはその受容体遺伝子の変異により,深刻な低ゴナドトロピン性性腺低形成症が誘発されることが報告されている.キスペプチンは視床下部の領域に発現し,性機能調節に関わる重要な神経であるGnRHニューロンに直接線維投射をし,GnRH分泌を制御すると考えられる.キスペプチンニューロンには明確な性差があり,性ステロイドホルモンによるフィードバック制御と深く関連している.また,キスペプチンニューロンの一部はdydorphinやneurokinin Bといった別の神経ペプチドと共存するものもある.キスペプチンは,GnRHニューロン活性の誘発因子として,性機能調節,特に思春期誘発にも深い関連性を有し,重要な働きを示す.本稿においては,キスペプチンニューロンの形態科学的特徴,機能的な特徴について解説し,新しい性機能調節軸の構築について提言する.

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© 2011 公益社団法人 日本顕微鏡学会
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