2020 年 76 巻 1 号 p. 26-39
メチレンブルー吸着量を用いてベントナイトのモンモリロナイト含有率を評価するため,メチレンブルー吸着試験の測定精度を確かめた上で,分散性の劣るCa型ベントナイトを用い,これから抽出したモンモリロナイトのメチレンブルー吸着量を測定した.メチレンブルー吸着試験にはスポット法と比色法がある.ブラインドプリディクションによりスポット法の標準誤差は2mmol/100g未満であることが分かった.また,比色法と試験後試料の粉末X線回折分析により,スポット法による測定値を飽和吸着量とみなせることが分かった.モンモリロナイトの抽出は粒径0.2µm以下の回収により行った.このメチレンブルー飽和吸着量を使用することがモンモリロナイト含有率の評価,及び,有効モンモリロナイト密度を用いた透水性・膨潤性評価の精度を高める上で重要である.