2020 年 55 巻 1 号 p. 3-6
樹脂包埋試料から作製された切片のSEM観察はより広い生体組織構造を観察でき,また連続した切片を観察することによって3D構造を理解することができるとして注目されている.切片のSEM観察においては,使用する検出器,加速電圧などの観察条件だけでなく,切片厚みの選択や基板材料の選定といった試料前処理条件など様々な要因が複雑に干渉する.切片観察に使用するSEMの特性を理解し,そのSEMに適した試料前処理や観察条件を選定することがこの方法を用いて目的とする結果を得るうえで重要になる.本稿では,切片SEM観察で主に用いられる反射電子像において,加速電圧,切片の厚み,試料前処理の違いが及ぼす影響について解説する.