2024 年 59 巻 1 号 p. 20-27
測定条件や試料条件などのメタデータを十分に備え,追加情報がなくとも多用な観点から実験を再現可能であるとき,そのデータは「独立可用」であるという.計測分析機器が独立可用データを出力するようになれば,データベースによる収集・整理を待たずに,他者の測定データを統合した解析が可能になる.これは,計測分析ビッグデータの構築を通したAI応用に大きく寄与する.直接の測定データ以外の情報が多いことから,独立可用データは,計測分析機器によらない共通データフォーマットで実現するのが望ましい.我々がその目的で開発したフォーマットMaiMLについて,成立の経緯を紹介するとともに,計測分析のモデル化と汎用データコンテナの活用を中心にフォーマットの概要を示す.さらに,MaiMLデータのデータレイクへの蓄積から利活用に至るプロセスの具体像と,その実現のための課題を検討する.