2025 年 61 巻 7 号 p. 169-177
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の機械的特性や破壊挙動は,繊維物性,マトリックス樹脂物性 , 積層構成,繊維体積含有率,繊維配向,繊維/樹脂界面特性など様々な要因によって決定される。CFRPにおけるマトリックス樹脂の役割は,繊維を支え,応力伝達によりいかなる方向の負荷においても優れた機械的特性を発揮させることである。本論文では,マトリックス樹脂物性およびCF/樹脂界面特性に焦点を当て,マトリックス樹脂構造がCFRP の機械的特性や破壊機構に与える影響に関して筆者が行ってきた研究を紹介する。具体的には,炭素繊維強化熱可塑性プラスチック( CFRTP) のマトリックス樹脂として期待されるメタクリレート共重合体を用いて,分子構造や異種成分ブレンドによる高次構造と機械的特性・破壊挙動の関係について述べる。