2019 年 85 巻 3 号 p. 108-120
健康は社会経済状況に影響されることはすでに明らかになった.しかし,日本の現役年齢層と定年年齢層の社会経済的要因と社会的要因,死亡リスクと世帯所得との関係については研究が少ない.本研究の目的は,日本の中年男性の社会経済的状況と死亡リスクの関連を明らかにすることである.
対象者は47~77歳の男性3,751人を現役組と定年組に分け,年齢,世帯年収,職業,教育水準,婚姻状況,世帯規模,運動,健康診断,BMI,食事習慣,慢性疾患,喫煙習慣およびアルコール消費量について調査した.世帯所得は5段階に分けられた.死亡数は2000~2011年の死亡届を利用した.ロジスティック回帰およびCox比例ハザードモデルを用いて統計的有意性を検討した.
両年齢組における低所得群の男性は,失業率,仕事に対する不満,一人暮らしの割合,未婚率,低教育水準による有意な死亡率の増加が見られた.現役組では,低所得群ほど喫煙率が有意に高く,健診受診率が低かった.
この研究は,世帯所得は,社会的不平等と死亡リスクの重要な要因であり,定年年齢の男性より現役年齢の男性により強い影響を与えているという証拠を提示した.