日本健康学会誌
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Intake of milk and dairy products significantly contributes to maternal adequate weight gain in pregnant women after 28 weeks gestation
Aya OZAKINoriko SUDOReiko TAJIRIKA-SHIRAITomoko SUMIKURAHitoshi KANEKOToshiro KUBOTANaoyuki MIYASAKATetsuji YOKOYAMAHidemi TAKIMOTO
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2021 年 87 巻 1 号 p. 15-26

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抄録

近年の日本における平均出生体重は減少傾向にあり,低出生体重児の出産割合もOECD諸国と比較して高い.出産年齢にあたる20~30歳代の女性は,やせの者の割合,喫煙率,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を摂ることがほとんどない者の割合が高く,牛乳・乳製品の摂取量が少ない.そこで,妊娠中の食行動及び夫婦の喫煙状況と体重増加との関連を調べた.

2012年7月~2013年8月に都内の1病院にて健診を受けた,合併症のない単胎妊娠の妊婦を対象とした.妊娠15~20週時点で適切な体重増加量を指導し,妊娠中の健康的な食事についてのリーフレットを1回配布した.その後,健診毎に助産師が妊娠前のBMIに応じて設定された基準を使用して体重を評価し,簡単な食生活についての指導を行った.妊娠28週付近の体重増加が不十分または過剰であった76 名を本研究の対象とし,3日間の食事内容を記録するよう指示し,「主食・主菜・副菜の揃った食事を摂った回数(0~9)」,「牛乳・乳製品を含む食事を摂った日数(0~3)」を調べた.また,自記式アンケートと病院での問診で夫婦の喫煙状況を把握した.妊娠28週~出産までの体重増加量が不十分または過剰であった者を不適切(=0),適切であった者を適切(=1)としたダミー変数を従属変数にした階層的ロジスティック回帰分析によって,食事内容と喫煙の影響を調べた.

喫煙については「適切」の群は夫婦とも全員が禁煙していたためオッズ比を算出することができなかったが,牛乳・乳製品の摂取日数が多いと妊娠中の体重増加が適切となった(オッズ比=2.20(95%信頼区間=1.10-4.37)).牛乳・乳製品は胎児の成長を促進するたんぱく質やIGF-1を含むほか,健康的な食事の要素とされている食品である.よって,牛乳・乳製品をよく摂取する者は食事に対する意識が高く,良い食習慣が身に付いていたと推察されることなどが適切な体重増加につながったと考えられる.

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