日本健康教育学会誌
Online ISSN : 1884-5053
Print ISSN : 1340-2560
ISSN-L : 1340-2560
資料
歯科衛生士のセルフ・エスティームと職務に対する価値観との関連
相澤 文恵杉浦 剛相澤 譲岸 光男米満 正美
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 19 巻 3 号 p. 217-228

詳細
抄録

目的 歯科衛生士のセルフ・エスティーム(以下SE)と歯科衛生士の職務に対する価値観との関連性を明らかにすることを目的とした.
方法 2006年,某県歯科衛生士会会員268名を対象として質問紙調査による横断研究をおこなった.質問項目は,年齢,勤務場所,研究会等への参加状況,生活満足感,歯科衛生士としての自己評価と職務に対する価値観,SEからなり,5段階順位尺度で回答を得た.SEはRosenbergの自尊心尺度を用いて測定したSE得点で評価した.歯科衛生士としての自己評価と職務に対する価値観に共通する潜在因子を探るため,因子分析を行った.ついで,SE得点と因子得点,他の質問項目間の偏相関分析を行った.
結果 有効回答者107名の平均年齢は43.6(SD12.3)歳であった.歯科衛生士のSE得点は35.2(SD7.1)点であり,年齢と正相関を示した (r=0.467,p<0.01).因子分析の結果3つの共通因子が抽出され,「自己実現としての歯科衛生士」,「歯科衛生士の社会的重要性」,「歯科衛生士としての自己評価」と解釈された.年齢を調整した偏相関分析の結果,歯科衛生士のSEは「歯科衛生士としての自己評価」(r=0.506,p<0.01),「自己実現としての歯科衛生士」(r=0.307,p<0.01),「歯科衛生士の社会的重要性」(r=0.204,p<0.05),生活満足感 (r=0.354,p<0.01)と有意な関連を示した.
結論 SEの高い歯科衛生士は歯科衛生士としての自己評価が高く,職務に対して高い価値観を持っていることが示された.

著者関連情報
© 2011 日本健康教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top