ヘルスプロモーションに関するオタワ憲章が発表されてから40年となる節目の前年に,健康教育とヘルスプロモーションの関係性について再考することを目的として,シンポジウムを行った.
武見ゆかり氏(日本健康教育学会理事長)は,健康教育学会と称しているが当初からヘルスプロモーションの内容は入っていると語り,その実践のために複数の研究会を学会内に設けていると説明した.
齊藤恭平氏(日本ヘルスプロモーション学会理事長)は,ヘルスプロモーションとは巨大なアンブレラコンセプトであり,そこには基本的な社会科学の上に健康教育学,健康社会学,健康心理学があり,健康経済学や健康政策学もエビデンスに基づいて進める必要があると述べた.
指定発言の湯浅資之氏(順天堂大学)は,ヘルスプロモーションという言葉が登場する前は健康教育にヘルスプロモーションの内容が含まれていたと解説し,現在の両者の関係は「ヘルスプロモーション」戦略にとって「健康教育」は必要不可欠な戦術である,と指摘した.
質疑応答では,最近は健康の商業的決定要因に与える影響が注目され,さらにCSR(Corporate Social Responsibility: 企業の社会的責任)から住民の健康に企業が貢献するというCSV(Creating Shared Value: 共通価値の創造)へと変わってきていることが提起された.
このシンポジウムを通して,両者の関係性を問うことそのものに加えて,今後は何が必要か,何ができるかを考えていくきっかけになったのではないだろうか.
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