日本健康教育学会誌
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最新号
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巻頭言
論壇
原著
  • 細川 佳能, 助友 裕子, 石井 香織, 岡 浩一朗
    2021 年 29 巻 4 号 p. 337-347
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/12/15
    ジャーナル フリー

    目的:都市部における地域スポーツ事業推進に資する資料を得るため,スポーツ推進委員の連絡調整機能の特徴を明らかにすることを目的とした.

    方法:2020年11月~12月に,東京都内3自治体のスポーツ推進委員18名を対象とする半構造化インタビューを実施した.スポーツ推進委員の活動内容や連絡調整の役割について尋ねた.解析にはKH Coderを用い,テキストデータより共起ネットワークを作成した.次に,Mayringの方法論に基づき,共起ネットワークによる識別を踏まえたテキストデータの比較分析により,サブカテゴリおよびカテゴリの命名を行った.

    結果:テキストデータから1,601語が抽出された.最も頻出していた語は「色々」であり,次いで「スポーツ推進委員」「地域」「学校」「子ども」「小学校」の順に多く出現していた.テキストデータの比較分析により,スポーツ推進委員の連絡調整機能の特徴として,42のコード,18のサブカテゴリ,7のカテゴリ(【社会資源の活用】【事業化】【動機づけ】【ネゴシエーション】【組織化】【有機的な連携】【継続的な協働】)が生成された.

    結論:スポーツ推進委員内部の協力的な組織体制の構築を重視するとともに,組織外部との相互作用を通じた地域への主体的な働きかけが確認された.それらの特徴は,自治体の事業推進のための機能を兼ね備えていることが明らかとなった.

短報
  • 坂本 達昭, 稲村 祐美, 早見 直美
    2021 年 29 巻 4 号 p. 348-354
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/12/15
    ジャーナル フリー

    目的:主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度と主観的健康感の関連を明らかにすること.

    方法:平成29年11~12月に実施された「食育に関する意識調査」(農林水産省)のデータを用い,無効回答を除いた20~95歳の1,781名(男性796名,女性985名)を解析対象者とした(横断研究).主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日に2回以上食べる頻度は,回答を「ほぼ毎日/週4~5日/週2~3日以下」の3群に分けた.主食・主菜・副菜を組み合わせた食事と主観的健康感の関連は,ロジスティック回帰分析により検討した.従属変数を主観的健康感(良好/良好でない),独立変数を主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度とし,モデル1では属性,モデル2では属性と時間的なゆとり,モデル3では属性と主観的な暮らし向きを調整変数とした.

    結果:モデル2および3において,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日がほぼ毎日であることは,主観的健康感の良好さと関連していた(オッズ比[95%信頼区間]モデル2: 男性:1.86[1.27–2.71],女性2.07[1.43–3.02],モデル3: 男性:1.71[1.16–2.51],女性:1.82[1.24–2.66]).

    結論:主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日がほぼ毎日の者は,主観的健康感が良好であることが示唆された.

特別報告
  • 中西 明美, 衛藤 久美, 神戸 美恵子, 稲山 貴代, 坂本 達昭, 會退 友美
    2021 年 29 巻 4 号 p. 355-364
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/12/15
    ジャーナル フリー

    目的:日本健康教育学会の栄養教育研究会では,実態調査と公開学習会の活動から学校における食に関する調査と評価に向けて必要なことをまとめた.

    内容:食に関する調査・評価の実態調査:2018年11月~2019年1月,群馬県,栃木県,千葉県,埼玉県,広島県の栄養教諭及び学校栄養職員262名を対象に,無記名自記式質問紙調査を行った(有効回答率37.4%).食に関する調査や評価の体制の有無別にその実施状況をカイ二乗検定又はフィッシャーの正確確率検定及びロジスティック回帰分析で比較した.さらに,自由記述「体制を整備するために必要と思うこと」について質的に分析した.体制が整っている群は食育計画の評価を実施している者が多かった〔OR (95%CI):4.70(1.68, 13.19)〕.体制整備に必要なこととして,組織・体制づくり,教育課程や計画・評価への組込,管理職や他教員との連携,時間や労力の確保,調査や評価の方法等,体制が整っている群9つ,体制が整っていない群8つのカテゴリが抽出された.公開学習会で取り上げた食育推進体制が整備された事例:体制が整っている自校方式,センター方式の施設では,食育推進組織内メンバーの役割が明確で連携がとれていた.

    結論:食に関する調査と評価に向けて,①学校内外の体制の整備,②食育の教育課程への位置付け,③管理職や教職員との連携,④調査や評価のための時間や労力の確保,⑤集計システムの構築の必要性が示された.

特集:厚生労働省「健康寿命をのばそう!アワード」受賞事例
  • 柴川 ゆかり
    2021 年 29 巻 4 号 p. 365-370
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/12/15
    ジャーナル フリー

    豊田市では,中学校区ごとに健康データ等をまとめた地域診断結果を「地域健康カルテ」としてまとめ,地域の特性に応じた住民共働の健康づくり「きらきらウエルネス地域推進事業」を推進している.

    この取組みは,中学校区ごとに配置された地域担当保健師が,住民との信頼関係を築きながら,各地域の健康なまちづくりを目指して,①地域診断②住民と健康課題を共有する意見交換会の実施③地域の健康づくり計画の作成④計画に基づいた事業の実施⑤評価というPDCAサイクルに基づいた取組みを行うものである.

    成果としては,各種健康指標が改善したほか,住民の主体性が向上し,ソーシャルキャピタルの醸成がみられ,地域の自律的な健康づくりの取組みが増加したことが挙げられる.

    本事業の意義としては,「地域健康カルテ」や「地域の健康づくり計画の作成」により,健康課題や目的,実施内容や役割分担,成果等が行政,地域の双方にわかりやすいため,住民の事業参加率が向上し,健康知識の普及や行動変容につながりやすいことである.さらに,保健師の介在なしに関係組織間での連携の促進がみられ,地域で事業に参加するのみでなく支える側に回る住民が増えるなど,生涯健康で生き生きと過ごす人々の増加が期待できる.

  • 井上 茂
    2021 年 29 巻 4 号 p. 371-372
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2021/12/15
    ジャーナル フリー
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