日本健康教育学会誌
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原著
メタボリックシンドローム予防・改善を目指すクリニック参加者における健康行動および心理的尺度値の変容と性格特性の関連
梅澤 敦子百々瀬 いづみ小林 良子清水 真理鈴木 純子森谷 潔
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2012 年 20 巻 2 号 p. 99-110

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抄録

目的:メタボリックシンドローム予防・改善を目指すクリニック参加者において,健康行動および心理的尺度値の変容に対する性格特性の関連を検討すること.
方法:介入を伴う観察研究を行った.クリニックでは講話や行動変容ステージ理論に基づく個人面談による栄養および健康行動変容指導・支援等を行った.調査は質問紙により行い,介入前後に食・運動・休養の3行動の変容ステージ・ソーシャルサポート(SS)・セルフエフィカシー(SE),一般性SEを調査し,介入後に性格特性(外向性,神経症傾向,開放性,調和性,誠実性),特性的SEを調査した.中途辞退者や欠損値があった者を除く男性35名,女性67名を対象に,健康行動および心理的尺度値の変化と性格特性得点の関連を二元配置分散分析,重回帰分析により検討した.
結果:性格特性の得点群(2水準:高低)×調査時期(2水準:介入前後)の二元配置分散分析を行った結果,男性では開放性得点における食行動変容ステージ得点,調和性における一般性SE得点,女性では誠実性における運動行動変容ステージ得点,外向性における食SSと食SE得点で有意な交互作用が認められた.また,行動変容ステージ得点の変化を規定する因子として男性では開放性,女性では誠実性の有意性が3行動において示された.
結論:健康行動および心理的尺度値の変容と性格特性の関連が示され,対象者の性格を考慮した変容支援の有用性が示唆された.

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© 2012 日本健康教育学会
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