日本健康教育学会誌
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実践報告
自己管理スキルを応用した成人の歯周疾患予防に影響する歯科保健行動調査
今里 憲弘山本 未陶筒井 昭仁
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2012 年 20 巻 Special 号 p. s8-s16

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抄録

目的:福岡県の成人の歯周疾患予防に影響する歯科保健行動を,自己管理スキルを含めて調査し,住民に還元する情報について実践者の立場から特定すること.

方法:予備調査にて,先に開発した児童の歯肉炎予防に関するブラッシング行動の調査項目をもとに,成人の歯周疾患予防の自己管理スキルを含む歯科保健行動の調査項目を検討した.本調査はこれに歯間部清掃用具の使用と現在歯数を加えた調査票「あなたの“健口力”チェック」を用いて,2009年11月に福岡県歯科医師会が行った歯科保健啓発事業の来場者を対象に,自記式で行った.

結果:来場者中,回答に協力が得られたのは939名,有効回答数は632名(男性184名,女性448名),平均年齢は49.4歳(SD15.7)であった.成人の“健口力”得点は年齢と関係があった(r=0.33,p<0.01).性別による差がみられ(p<0.01),特に男性,若い層で低かった.現在歯数との相関は小さかった(r=-0.13,p<0.01).

結論:結果は,若い男性に対する定期健診の受診と歯間部清掃用具の使用の啓発およびブラッシングの自己管理スキルの向上につながる教育の必要性が示唆された.

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© 2012 日本健康教育学会
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