日本健康教育学会誌
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特定保健指導の積極的支援における4%以上減量成功と生活習慣改善との関連
仲下 祐美子中村 正和木山 昌彦北村 明彦
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2013 年 21 巻 4 号 p. 317-325

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抄録

目的:特定保健指導における積極的支援を実施した職域の男性勤労者において,減量成功に影響を及ぼす要因について検討することを目的とした.
方法:縦断的研究デザインを用いた.2008年4月から2009年3月までに当センターの特定健診を受診し,特定保健指導の階層化の基準により対象となった者に,6ヶ月間の特定保健指導プログラムを実施した.分析対象は,積極的支援を実施した者のうち,初回支援から1年後の特定健診を受診した男性349人である.減量成功の評価指標は,初回支援時から1年後の体重変化率が4%以上であることと定義し,減量成功に影響を及ぼす要因は多重ロジスティック回帰分析を用いて特定した.
結果:4%以上の減量成功者は77人(22.1%)であった.減量成功と有意な関連がみられた項目は,初回支援時では「非喫煙」(多変量調整オッズ比,以下OR:2.29,95%信頼区間:1.10-4.78)であり,特定保健指導後の各要因の変化では「1回30分以上の軽く汗をかく運動習慣の改善」(OR:2.88,95%信頼区間:1.34-6.17),「ほぼ毎日間食や夜食をとる習慣の改善」(OR:2.63,95%信頼区間:1.13-6.13),「非喫煙の維持」(OR:2.08,95%信頼区間: 1.03-4.20)であった.
結論:減量成功の促進要因は運動習慣および食習慣の改善,非喫煙の維持であることが示唆された.

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