日本健康教育学会誌
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思春期から青年期の女子における菓子類の選択要因に関する質的研究
新保 みさ渡邉 史子冬賀 史織赤松 利恵
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2016 年 24 巻 2 号 p. 81-90

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抄録

目的:思春期から青年期の女子に対し,菓子類(嗜好飲料を含む)の選択に関わる要因を質的に検討することを目的とした.
方法:2014年2~4月,中学生6名,高校生6名,大学生5名,大学院生6名の4グループ計23名に対し,フォーカスグループインタビューを行った.インタビューは半構造化形式でインタビューフローに基づき約90分間実施し,菓子類を選択した理由などをたずねた.属性や菓子類の購入は質問紙を用いてたずねた.インタビュー後,逐語録を作成し,発言をコード化したのち,類似した内容でまとめ,カテゴリーを作成した.
結果:菓子類の選択要因は,64個の<サブカテゴリー>にまとめられ,さらに19個の【カテゴリー】に分けられた.カテゴリーには,内的要因と外的要因があり,内的要因に含まれるカテゴリーは15個で【嗜好】,【満足感】など,外的要因に含まれるカテゴリーは4個で【環境】,【菓子類の特性】などがあり,【評判】は高校生のみであげられた.パッケージなどの<キャラクター>は中学生,<ダイエット経験>は大学生,<嗜好の重要性>は大学院生に特徴的な要因であった.
結論:菓子類の選択には,様々な要因が関わっていた.<好きな味>や<価格>などの年齢に関わらず共通する要因と,高校生のみでみられた【評判】などのそれぞれのグループで特徴的な要因が示された.

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© 2016 日本健康教育学会
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