日本健康教育学会誌
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短報
家庭で子どもに調理を教える保護者の特徴
渡邉 紗矢吉井 瑛美赤松 利恵
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キーワード: 子ども, 保護者, 調理態度
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2020 年 28 巻 1 号 p. 25-33

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抄録

目的:家庭で子どもに調理を教える保護者の特徴を把握すること.

方法:2017年6~7月都内小学校3・4年生の保護者312人に横断的自記式質問紙調査を行った.家庭で子どもに調理を教える頻度を主観的にたずね,よく,ときどきする者を親子調理頻度高群,あまり,全くしない者を低群とした.属性,ゆとり感,調理済み食品の使用頻度,調理技術に対する自信,調理態度9項目,子どもの調理に対する認知4項目の親子調理頻度での違いをχ2検定で,特徴をロジスティック回帰分析で検討した.

結果:255人を解析対象とした.親子調理頻度高群115人(45.1%),低群140人(54.9%)であった.子どもの性別(P=0.002)の他,調理技術に対する自信(P=0.001),調理は楽しい(P=0.001)など調理態度2項目,子どもは一人で料理を一品作ることができる(P<0.001)など子どもの調理に対する認知4項目で有意差がみられた.高群の保護者は調理を楽しみ(OR=2.04[1.06,3.93]),調理を面倒だと思わず(OR=2.60[1.42,4.75]),子どもは一人で料理を一品作ることができると認知し(OR=5.40[2.91,10.0]),家庭で子どもに調理を教えることは大切だと思う者が多かった(OR=11.1[1.22,100]).

結論:家庭で子どもに調理を教える主観的な頻度には,子どもの性別,調理技術に対する自信,調理態度,子どもの調理に対する認知が関連していた.

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