日本健康教育学会誌
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原著
インターネット接続端末の使用時間と体調,食物摂取量との関連:性別による特徴
山口 光枝
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2020 年 28 巻 1 号 p. 5-14

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抄録

目的:高校生を対象に,インターネット(IT)接続端末の使用時間と生活習慣,体調,食物摂取量との関連を明らかにすることである.

方法:本研究は,質問紙調査(生活習慣調査と食事調査)による横断研究であり,2016年6月に山形県の私立高校(1校)に在籍する1年生206名(男子:108名,女子:98名)を対象に実施した.生活習慣では,IT接続端末の1日の平均使用時間,就寝時刻,起床時刻,睡眠時間,食欲,普段よく自覚している症状等を尋ねた.食事調査には簡易型自記式食事歴法質問票中高校生用(BDHQ15y)を用いた.接続端末の使用時間によって2時間未満(短時間群),2時間以上4時間未満(中間群),及び4時間以上(長時間群)に分類し,他の回答との関連性を分析した.

結果:群別の人数割合では,短時間群,中間群,長時間群の順に男子は35.2%,45.4%,19.4%,女子は23.5%,53.0%,23.5%であった.自覚症状数では,男女あわせた全体の長時間群は短時間群と比較して有意に多かった.食物摂取量では,男子の長時間群は短時間群よりも嗜好飲料の摂取量が有意に多かった.一方,女子は短時間群と長時間群が中間群より複数の栄養素や食品群において摂取量が多かった.

結論:IT接続端末の使用時間は体調と関連していた.また,男子では嗜好飲料の摂取量との関連性が示唆されたが,女子では使用時間に準じた食物摂取量の違いは認められなかった.

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