日本健康教育学会誌
Online ISSN : 1884-5053
Print ISSN : 1340-2560
ISSN-L : 1340-2560
実践報告
外食における適量提供・摂取を目指した冊子を用いたグループワーク—大学院生を対象としたプロセス評価—
赤松 利恵 小松 美穂乃齋木 美果
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 28 巻 4 号 p. 299-306

詳細
抄録

目的:外食における適量提供・摂取を考える冊子「外食から始める私たちと地球の健康」を作成し,大学院生を対象に,冊子を用いたグループワークを実践した.本稿では,冊子の内容とグループワークのプロセス評価の結果を報告する.

活動内容:冊子は,1人分の適量提供・摂取を考える教材であることから,1人分の食事を提供する飲食店を扱った.冊子の8枚のイラストでは,衣料品店と飲食店でのストーリーが展開され,自分にあった服を購入する衣料品店のストーリーと比較しながら,適量摂取について,自分の立場でできる課題解決法をグループで話し合わせた.

活動評価:大学院生34人が参加し,33人が事後調査に回答した(回収率97.1%).グループワークの長さは,全員が「ちょうどよかった」と答え,9割以上がグループワークの説明と冊子のイラストを「わかりやすかった」と答えた.また,31人(93.9%)が新しい発見が「あった」と回答し,その内容は,[自分とは異なる考え]といった【グループダイナミクスの実感】や【適正量に関する知識不足】など,多様であった.

今後の課題:冊子を用いたグループワークは,多様な気付きをもたらした.グループワークは想定より短い時間で終了したことや自由記述の回答から,指導案と教材を見直し,指導案を修正,さらに教材の付録を作成した.今後は,飲食店で働く人や異なる年代を対象に,冊子を用いた実践を行う必要がある.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人日本健康教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top