日本健康教育学会誌
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特集:健康教育・ヘルスプロモーションとCOVID-19
大学新入生を対象としたオンライン自律訓練法講習会の効果
谷木 龍男 和田 拓真稲垣 和希水野 哲也
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2021 年 29 巻 1 号 p. 87-94

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抄録

目的:2020年,COVID-19感染拡大の影響で,全国の大学においてオンライン授業が導入された.A大学において実施してきた自律訓練法(AT)講習会もオンラインで実施することとなった.本稿は,大学新入生を対象としたオンラインAT講習会に関する実践報告を行うことを目的とした.

活動内容:参加者はA大学の健康な大学1年生21名(男性11名,女性10名)であった.講師はA大学の教員4名であった.AT講習会は5月から7月までビデオ会議システムを用いて週1回全10回行った.参加者は各自でATを練習し,電子ファイルで作成した練習に入力した.練習記録は,各参加者と講師でオンラインストレージで共有した.複数の講師が練習記録を確認し,電子メールによる個別AT指導を行った.

活動評価:最終回まで参加した参加者は16名であった.これまでの対面講習会と比較して,オンラインAT講習会では,講師間の質疑応答・意見交換を視聴できること,丁寧な指導を定期的に行えることのメリットがあった.また,参加者のATの練習の理解,習得と継続率が優れていた.さらに,オンラインAT講習会が,大学新入生にとってソーシャルサポートとしても機能し,ウェルビーイングの維持・向上に寄与した可能性が示唆された.

今後の課題:オンラインと対面を組み合わせたAT講習会の効果を検討する必要がある.

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