日本健康教育学会誌
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実践報告
特別支援学校(知的障害)における食育「野菜博士になろう」の実践
光藤 百合子 宇野 宏幸髙野 美由紀
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2022 年 30 巻 4 号 p. 302-312

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抄録

目的:特別支援学校(知的障害)において栄養教諭と連携して食育「野菜博士になろう」を実践し,子どもの野菜への興味と知識を増やし,教員の食育実践への意欲を高める.

事業/活動内容:A特別支援学校(知的障害)で栄養教諭と連携し,小学部4, 5年生の児童23人を対象に生活単元学習で食育「野菜博士になろう」を実践した.実践前後に保護者と担任教員には質問紙調査を,児童には野菜テストを実施した.授業は研究授業として公開し,野菜の国からやってきたキャラクター(みどりちゃんと野菜博士)が,絵本の読み聞かせや野菜の話,野菜クイズを行い,野菜博士メダルをもらうと,児童も野菜博士になれるというストーリーで実践した.授業では本物の野菜を提示し,「野菜を食べよう」の歌も歌った.学習で使った野菜は児童が調理をして食べた.

事業/活動評価:保護者の質問紙調査(事前)では野菜が苦手な児童が多かったが,実践後は野菜への興味が高まった.担任教員の質問紙調査(事後)の結果,栄養教諭と連携した食育実践を全員が良いと感じ,教員の食育実践への意欲が高まっていた.野菜テストの結果は全体として有意な変化が認められた(P=0.006).

結論:栄養教諭と連携した食育「野菜博士になろう」の実践は,子どもが野菜への興味と知識を増やし,実践に参加した教員が食育実践への意欲を高めた.

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