日本健康教育学会誌
Online ISSN : 1884-5053
Print ISSN : 1340-2560
ISSN-L : 1340-2560
中学生を対象とした自己評価を含む歯科健康教育プログラムの実施とその効果
田代 悦章渡邉 正樹岡田 加奈子高江洲 義矩
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 1 巻 1 号 p. 9-15

詳細
抄録

本研究は, セルフケアの概念にもとづき, 中学生を対象に口腔内の自己評価と自己観察を取り入れた実験的歯科保健プログラムを実施し, その客観的評価を試み, 効果判定をおこない, 今後の歯科健康教育の指針を得ることを目的とした。
授業実施前後で, 知識・態度・行動の評価として質問紙調査を, 行動変容の指標として歯口清掃状況の診査を実施とした。齲蝕と歯周疾患の予防に関する知識についての質問「歯垢は細菌のかたまりである」に対する正答率は, 授業実施群で47~69%と高く, その知識の維持も良好であった。甘いものに対する摂食行動は, 歯科保健授業, 歯口観察, 歯科保健指導のすべてを実施した群で向上した。態度と歯口清掃状況については授業実施群と実施しなかった群との間に統計学的に有意な差を認めなかった。
これらのことから今回実施した歯科保健授業は特に知識の改善に効果的であり, さらに実際的な歯みがき指導方法の検討が必要であることが示唆された。〔日健教誌, 1993; 1: 9-15〕

著者関連情報
© 日本健康教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top