日本健康教育学会誌
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学会におけるラウンドテーブルセッションの機能と交流
岩井 梢松岡 奈保子中村 譲治細井 陽子守山 正樹
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2008 年 16 巻 4 号 p. 186-195

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抄録

目的: これまで, 「学会」という場でどのような“交流”が起こるか, “Healthy Conference”としての学会とはどういうものか着目されてこなかった.そこで, 本研究では交流の起こりやすい発表形式であるラウンドテーブルセッション (以下, RT) を試行し, RTの機能と交流について検討した.
方法: 2004年6月5日に実施したテーマ, 参加人数, 使用言語の異なる5つのRTの参加者に自由記述形式のふりかえりシートを使った調査を実施した.本研究ではRTの実態やプロセスを描き出すために質的情報を収集した.本研究の対象は, RTの参加者約55名のうち終了後にふりかえりシートを提出した52名である.分析は, 各自の記述内容をコード化し, グループ毎に比較した.
結果: 分析結果からは, RTは参加者が主体的に参加することが可能になり, かつ多様な学びや気づきのある発表形式であることが明らかとなった.また, RTは傾聴や対話を通してエンパワーメントされる発表形式でもあり, 従来の口演やポスター形式の発表とは異なる利点をもつことが示唆された.
結論: RTは“Healthy Conference”の実現のために, 新たな可能性を提示する発表形式であると考えられた.

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