日本健康教育学会誌
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関西地方における高校生のAIDS・HIVに関する知識・態度・行動の変化 (1990~1994)
松浦 賢長斎藤 太
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2000 年 7 巻 1-2 号 p. 19-28

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抄録
1990年および1994年に関西地方の高校生を対象として, エイズに関連した知識・態度とリスク行動を把握するための調査をおこない, その5年間の変化について考察を加えた.1990年ではエイズ教育を高校で受けたと回答したものは34.4%であったが, 1994年時点では57.6%に上昇していた.1990年から1994年の間に, エイズに関連する知識は大幅に向上していた.コンドームが感染予防に果たす役割はほぼ全員に理解されていた.感染経路に関する7項目においては, 誤答率が30%を上回っていた (1994年時点) .1990年の知識得点に性差はみられなかったが, 1994年には男子において知識得点が有意に低いという結果が得られた.エイズ流行のために自分の性行動が変わったと考えるものは, 1990年の14.1%から1994年の7.3%へと有意に減少していた.また, 性交経験率は1990年の8.0%から16.6% (1994年) に倍増していたが, 性交時にコンドームを習慣的に使用するものも, 22.9%から54.4%へと増加していた.静注麻薬の使用経験者は1990年には1.4%であり, この割合は1994年においても同様であった.
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