高知学園短期大学紀要
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保育士の「健康及び安全」への取り組み状況への認識に関する研究
矢野 智恵片岡 亜沙美森澤 徹男小島 一久杉原 徹山崎 美惠子
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2012 年 42 巻 p. 43-54

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抄録

本研究は保育所保育指針の改定後、保育士の「健康及び安全」への取り組み状況への認識を明らかにするため、A県内の130保育所の保育士1,763名を対象に、層別任意抽出によるアンケート調査を行った(回収率46.2%)。その結果、保育士は「健康及び安全」への取り組みができていると認識している傾向にあった。"子どもの健康状態の把握と発病時の保護者への連絡""保育所における感染予防・保健環境などの維持向上"など、「健康及び安全」の中でも改定前にも示されていた従前の取り組みはよくできていると認識していたが、今回の改定の特徴である食育の推進や保護者支援、健康の保持増進に関する保育の計画及び評価など保育の質を高めるしくみについてはまだまだ課題として取り組んでいく必要性があること、また保育所において看護師、栄養士などの専門職の存在が保育士の実践力を高め、保育の質を向上させる可能性が高いことが示唆された。今後、「健康及び安全」への取り組みについては、看護師などの専門職を常駐させ保育計画に取り組むことや、保育所内で組織的に取り組んでいくことがのぞまれる。

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© 2012 学校法人高知学園 高知学園短期大学
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