1944 年 10 巻 40-1 号 p. 157-175
前報告に於て著者は炭素含有量0.1乃至1.5%の種々の試験材料として用ひ、同一炭素含有量のもの同志を種々の摩擦厭力、摩擦速度の下に於て互に摩擦せる時の磨耗現象を観測し、表素鋼の磨耗は炭素含有量に依り如何なる影響を受けるか、又その磨耗は炭素鋼の機械的、物理的並に化學的諸性質と如何なる闘聯性があるか等につき詳細穀告したが、本報告に於ては研究を更に一歩進めて、異なる炭素含有量の炭素鋼を互に組合せて種々の摩擦厭力、摩擦速度の下に於て互に摩擦せしめその時の磨耗所謂組合せ磨耗が組合せ方如何なる影響を受けるかを吟味すると共にこの組合わせ摩擦は組み合わせ材料の如何なる性質に依て左右されるかを吟味した。