抄録
トリス(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)ホスフィンと同等の立体混雑したトリアリールホスフィンとキノン類とが連結したオリゴマーを鈴木カップリングを鍵反応として合成した。ホスフィン-キノンオリゴマーの31P NMRでは構造を反映した特徴的なスペクトルが見られた。トリアリールホスフィン部位とキノン部位との相互作用についてサイクリックボルタンメトリー、紫外可視スペクトル等を用いて検討したところ、ホスフィン部位の酸化電位とキノン部位の還元電位との電位差が大きくなるにつれ、分子内電荷移動と考えられる吸収が短波長シフトし、ホスフィン-キノンユニットの数が増えるにつれ強度が増大することが分かった。