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山中 正道, 原矢 奈々
セッションID: A01
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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我々はこれまでに糖を導入した低分子ヒドロゲル化剤により形成される超分子ヒドロゲルが、分子認識に基づくゲルーゾル相転移を起こすことを見出してきた。本研究では、より単純な親水基として、水酸基を有する両親媒性分子を用いた超分子ヒドロゲルの構築を試みた。合成した両親媒性分子は高いゲル化能を有し、形成したゲルはpH応答性を有することが明らかとなった。さらに単純な化学修飾により低分子オルガのゲル化剤へと変換できることも見出した。
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井上 亮太, 長谷川 真士, 真崎 康博
セッションID: A02
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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ピリダジンジオール縮環TTFは水素結合と比較的強いπ-π相互作用により、溶媒・温度・濃度等に依存した様々な集合体を作る。これまでに長いアルキル基を持つ誘導体がファイバーを形成することを報告した。今回、メチルチオ基を有する誘導体
1がヒドラジン存在下でジメチルスルホキシド-メタノール溶液から準安定なゲルを形成し、そのゲルが結晶へと転移することを見出した。また、このゲル-結晶転移を利用することで、生成する結晶の構造を制御することも検討した。本発表では、モルフォロジーによる伝導性の違いについても報告する。
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重光 孟, 久木 一朗, 米谷 英里子, 藤内 謙光, 宮田 幹二
セッションID: A03
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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パイ共役分子は一次元状に自己集合すると、発光性や電荷輸送能を有する超分子ナノファイバーを構築する。そのため、有機エレクトロニクスへの応用が期待され、活発に研究が行われている。今回、我々は3つのデヒドロベンゾアヌレン(DBA)誘導体で超分子ナノファイバーを構築することに成功した。今回、合成したDBAは長鎖アルキル基などの柔軟な置換基をもたないため、高結晶性であった。発表ではそれらの超分子ナノファイバーの構造や物性について発表する。
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村岡 宏樹, 西川 尚男, 小川 智
セッションID: A04
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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近年、当研究室では有機電界効果トランジスタ(OFET)の性能向上の一つの手法として、絶縁体界面上への電荷移動型自己組織化単分子膜(SAMs)の導入による有機半導体層へのキャリアの注入制御を目的として研究を展開している。本研究では、n型OFETへの応用を念頭とし、高い電荷移動能が期待できるドナー型SAMs形成分子として設計したシラン末端テトラチアフルバレン(TTF)誘導体の合成とSAMsの作製及び膜特性評価を実施したので報告する。
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菅原 正, 栗原 顕輔, 豊田 太郎, 鈴木 健太朗
セッションID: A05
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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自己生産するベシクル(ホスト)内でDNA(ゲスト)の自己複製を進行させ、膜分子の前駆体を添加したところ、両親媒性の酸性触媒を含むベシクル膜内での前駆体の加水分解が効果的に進行し、DNAの増幅を行わなかった時と比較して、ベシクルの肥大・分裂に顕著な促進効果が見られた。しかも新たに生成したベシクル内にDNAが分配されていることを確認した。したがって、本系は人工細胞として最小限の条件を満たしている。
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園田 与理子, 後藤 みどり, 池田 卓史, 下位 幸弘, 林 繁信, 山脇 浩, 金里 雅敏
セッションID: A06
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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固相で[2+2]光反応性を有するホルミル環置換ジフェニルヘキサトリエンについて、結晶構造構築におけるCH・・・O型分子間水素結合の重要性を単結晶X線
回折により明らかにした。また水素結合の分光学的証拠として、溶液中・固体でのIR、NMRスペクトルを測定・比較した。
これらの実験結果と、分子構造及びスペクトルの理論計算結果を併せ、[2+2]光反応性を発現する結晶構造(分子配列)がCH・・・O型分子間水素結合によりいかに構築されたかを解明した。
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上遠野 亮, 河合 英敏, 藤原 憲秀, 鈴木 孝紀
セッションID: A07
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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ベンゼン環の周りにアセチレン結合を介して、シン型に固定された3つのテレフタルアミドを連結した3回対称トレフォイル型ホスト分子を合成した。このホスト分子の動的ヘリシティへの分子内および分子間でのキラリティ伝播を通して、トレフォイル型ホストが一方のヘリシティを優先したことをCDスペクトルより明らかにした。当日は、ホストの合成とゲスト分子との錯形成に伴うキロプティカル信号の変化について詳細に報告する。
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生越 友樹, 山藤 大紀, 青木 崇倫, 山岸 忠明
セッションID: A08
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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アゾベンゼンを末端に有するビオロゲンをゲスト分子として、Pillar[5]areneをホスト分子として錯形成を行った。アゾベンゼン末端がトランス体であった場合、その錯形成速度は、ミクロスコピックなタイムスケールであった。一方、光照射後によりアゾベンゼン末端をシス体に異性化させた場合、その錯形成速度は、マクロスコピックなタイムスケールへと変化した。
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河合 英敏, 大場 芙美, 大野 由起, 佐藤 貴子, 上遠野 亮, 藤原 憲秀, 鈴木 孝紀
セッションID: A09
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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アクチンフィラメントなどの細胞骨格繊維はタンパクの自己集合によって形成されており、初期の会合に比べ伸長段階の会合定数が増幅する“核形成‐伸長プロセス”という機構により形成される。本研究では人工分子でこの機構を再現すべく超分子ポリマーの形成段階にアロステリック会合様式を組み込んだ「協同的超分子ポリマーの構築」を検討した。ヘキサアミド型モノマーはPhBr溶液中100℃においても会合状態が保たれる強い会合能をもつことが明らかとなり、その希釈実験においては”核形成-伸長プロセス”を示す協同的な会合曲線を示すことがわかった。
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石割 文崇, 中薗 和子, 小山 靖人, 高田 十志和
セッションID: A10
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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[2]ロタキサンは輪成分、軸成分ともに方向性を有する場合、各成分がアキラルであってもトポロジカルキラリティーを発現する。今回我々は、トポロジカルキラリティーを有するロタキサンを側鎖上に持つポリアセチレンの可逆的な片巻きらせん誘起について検討したので報告する。軸の片末端にエチニル基を有する分子不斉ロタキサンをラセミ体として合成しキラルカラムで光学分割することによって光学的に純粋なトポロジカルキラリティーを有するロタキサンモノマーを得た。得られたモノマーをRh触媒で重合することにより、側鎖にトポロジカルにキラルなロタキサン構造を有するポリアセチレンを得た。またこの側鎖のロタキサン上の輪成分は酸塩基によってその位置を変化させることができが、輪成分が主鎖近傍に存在する時にはポリアセチレンは片巻きらせん構造制御をとり、強いCotton効果を示したが、輪成分が主鎖から遠方に存在する時にはCotton効果はほとんど示さずにらせんの巻き方向はランダムになることがわかった。またこのらせん構造変化は可逆的であり、連続的ならせん構造変化も可能であった。
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大城 宗一郎, 杉安 和憲, 竹内 正之
セッションID: A11
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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化学的な刺激によって回転速度を変化させることが可能なダブルデッカー型ポルフィリンランタン(III)錯体と、速い回転速度をもつポルフィリンロジウム(III)錯体ローターを組み合わせ、回転情報を伝達するベベルギア型分子を合成した。種々のベベルギア型分子に関して、回転挙動を核磁気共鳴分光法により評価した結果、回転子間に働く立体的な相互作用は分子構造に大きく依存することを明らかにした。
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瀬高 渉, 井上 和之, 比嘉 さやか, 山口 健太郎
セッションID: A12
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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大規模かご型骨格の内部にπ電子系が架橋した分子は、結晶中でもπ電子系が1軸回転可能な分子コマとしての機能が期待される。我々は
p-ビスシリルベンゼンのケイ素間を3つのアルキル鎖(C14鎖)で連結した分子コマを合成し、結晶中でのベンゼン環の回転運動と物性を明らかにしてきた。今回、アルキル鎖長が異なる類縁体(C16鎖およびC18鎖)を合成し、結晶中の構造とベンゼン環の運動に及ぼすかごサイズ効果について報告する。
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佐久間 高央, 酒井 隼人, 三浦 智明, 羽曾部 卓
セッションID: A13
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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非共有結合を基盤としたポルフィリン棒状集合体は基礎的な構造及び物性評価だけでなく、光エネルギー変換材料としての応用展開についても大きな関心が寄せられている。現在の注目すべき点として、アスペクト比と光物性の関連である。つまり、等方的な粒子状集合体と比較して、棒状集合体特有の物性・機能が発現すれば、新たな展開が開ける。本研究では金属架橋を利用したポルフィリン集合体において、そのアスペクト比を劇的に制御することに成功した。光物性と併せて報告する予定である。
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正井 宏, 此島 陽平, 寺尾 潤, 藤原 哲晶, 辻 康之
セッションID: A14
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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本研究では、完全メチル化シクロデキストリンとオリゴフェニレンエチニレン骨格との自己包接現象を利用し、両端にエチニル基、及びピリジル基を有する被覆共役モノマーをそれぞれ合成した。この2種類のモノマーに対しポルフィリン誘導体と共重合させることにより、2種類のポリマーを合成した。すなわち、前者はブロモ基を2つ有する亜鉛ポルフィリンと薗頭・萩原カップリング反応を、後者はカルボニルルテニウム(II)ポルフィリンの中心金属との配位重合を行うことにより、結合様式が異なる2種類の含ポルフィリン被覆共役ポリマーの合成に成功した。
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松田 晃和, 田嶋 智之, 高口 豊
セッションID: A15
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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ジヒドロペンタセンの6,13-位を連結し、環反転を抑制した新規シクロファンの合成および性質について検討した。第一世代Grubbs触媒を用いた閉環メタセシス反応を行い、目的物を収率16%で合成した。クロロホルム中、シクロファンおよび前駆体の蛍光スペクトルを測定したところ、前駆体で360 nmに観測されたナフタレン骨格に由来する蛍光が、環状構造を形成したシクロファンでは410 nmに長波長シフトすることが明らかとなった。
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瀬川 泰知, 大町 遼, 松浦 沙奈枝, セネル ペトル, 宮本 慎平, カマチョ クリストファー, イレ ステファン, 深澤 愛子, 山口 ...
セッションID: A16
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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シクロパラフェニレン(CPP)はべンゼンをパラ位で環状につなげた非常にシンプルかつ美しい分子である。またカーボンナノチューブの部分骨格でもあり、直径の定まった「純正」カーボンナノチューブの完全化学合成の道を拓く、潜在的ビルディングブロックと捉えることもできる。しかし、環構造に伴う大きな環ひずみエネルギーをもつため、長年にわたり化 学者の挑戦をことごとく退けてきた。我々は様々なサイズのシクロパラフェニレン(CPP)について、その選択的・効率的合成法の開発を達成し、また初めてX線結晶構造解析に成功した。合成した各シクロパラフェニレンの興味深い光物性と計算化学によるそれら遷移の帰属についても報告する。
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ラーマン モハマド・ジャリル, 花井 美実, 山川 純, 高瀬 雅祥, 西長 亨, 伊與田 正彦
セッションID: A17
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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我々は最近Lipschutzクプラートの電子移動酸化を用いる環状オリゴフェニレンの合成に成功した。得られた環状ノナフェニレンおよび環状ペンタデカフェニレンは、その構造を反映して特異な蛍光特性を示した。また、環状ノナフェニレンから環状トリフェニレンを合成し、ナノ集積体の構造と蛍光特性についても調べた。最も興味深いのは環状ペンタデカフェニレンがC60およびC70をその空孔内に取り込むことであり、その詳細を報告する。
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中西 和嘉, 松野 太輔, 市川 淳士, 磯部 寛之
セッションID: A18
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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二つのヘリセンから成る環状共役分子,シクロビス[4]ヘリセンを,ジハロ[4]ヘリセンのホモカップリングを利用した単結合多重連結により合成した.X線結晶解析により,シクロビス[4]ヘリセンは結晶中,同じらせん不斉を有する2つのヘリセンがつながった構造を有することが分かった.線画により構造を描写すると,シクロビス[4]ヘリセンはらせんに沿って下降し続けるという,Penroseの階段を彷彿させる錯視的な構造を有することを見出した.
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成田 智幸, 高瀬 雅祥, 西長 亨, 野村 琴広, ミューレン クラウス
セッションID: A19
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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HBCに代表される巨大なπ平面を有する化合物は、機能性分子としての応用研究が盛んに行われている。一方、分子内に窒素原子を複数有する巨大π平面化合物は、基本骨格を変えることなく高酸化状態が安定化される等のアドバンテージを有し、高機能性が期待されている。そこで本研究では、π系内部の窒素原子による酸化状態の安定化に対する寄与の解明や、機能性の付与を目的として含窒素巨大π系分子群の合成、及び性質の検討を行った。
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東林 修平, タン チタオ, サンジタ カランジット, 櫻井 英博
セッションID: A20
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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初めてのアザバッキーボウルとしてC3対称トリアザスマネンの不斉合成を達成した。そのX線結晶構造解析から、炭素骨格のみのスマネンより深いおわん構造を有していることを明らかにした。その深いおわん構造からボウル反転エネルギーは42 kcal/molに達し、室温ではラセミ化がほぼ進行せず、光学活性体として安定に存在することもわかった。これらの詳細について報告する。
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雨夜 徹, 小林 賢司, 岡田 倫明, 平尾 俊一
セッションID: A21
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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種々の非平面π共役系分子をスマネンから誘導し、その特性を明らかにした。例えば、アリール位でスマネン同士をカップリングし、その分光特性を調査した。また、スマネンとベンゾフェノン誘導体を塩基存在下、ベンジル位にて縮合させ、得られた誘導体におけるπ共役系の拡張を明らかにした。さらに、この誘導体の酸化的分子内環化反応によりヘミフラーレンを部分骨格に有する高湾曲なπボウルも合成した。
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北村 千寿, 竹中 彰, 川瀬 毅, 小林 隆史, 内藤 裕義
セッションID: A22
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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テトラセンオクタエステル体は二重[2+2+2]環化反応により合成され、
そのメチル、エチル、プロピル誘導体は、赤、橙、黄橙色固体として
単離された。X線結晶構造解析からテトラセン部位の配列がそれぞれ
大きく異なっていること、およびメチル体はテトラセン間距離が最も
短くこのことが他に比べレッドシフトを引き起こしたと考えた。
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須江 大輔, 高石 和人, 辻 泰樹, 倉持 幸司, 川端 猛夫, 椿 一典
セッションID: A23
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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我々は 2, 3-ジヒドロキシナフタレンを構成単位とし、1,4-位で連結したオリゴナフタレン類の合成と機能について研究を行っている。これまでに軸性不斉を S で統一したナフタレン32量体の合成に成功した。本化合物のナフタレン環の二面角は約90° であり、ナフタレン同士の相互作用は強くはない。今回、連結軸を5員環であるフラン環に組み込むことでナフタレン環の二面角を狭めた扇形のオリゴナフトフラン類について、その合成と物性について報告する。
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岩永 哲夫, 井田 裕子, 山下 夏貴, 竹崎 誠, 豊田 真司
セッションID: A24
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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ペリレンおよびアントラセンビスイミドを基盤としたドナー/アクセプター/ドナー型分子の合成を行った.ペリレンビスイミドの1,6-/1,7-位およびアントラセンビスイミドの9,10-位に種々のクロスカップリング反応を用いてドナーユニットを導入した.各化合物の吸収および蛍光スペクトルを測定し,ドナーユニットの種類による分光学的性質の変化について詳細に検討した.本発表では分子軌道計算の結果に基づいて,これら化合物の分光学的性質を報告する.
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信末 俊平, 清水 章弘, 田原 一邦, 戸部 義人
セッションID: A25
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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新奇な多環状芳香族炭化水素の合成法の開拓を目的として、ブタジイン部位を含むデヒドロベンゾ[14]アヌレン類の分子内での渡環環化について検討した。その結果、ブチルリチウムを求核剤として用いた場合に、分子内での連続的な渡環環化に続く二量化反応を経て、9,9'-ビフルオレニリデン骨格をもつ2種類の環状インデノフルオレン二量体が得られることを見出した。二量体以外の生成物の同定をはじめ、ブチルリチウムの付加と環化の反応機構について検討したので報告する。
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萩原 啓太, 津村 弦輝, 吉沢 道人, 穐田 宗隆
セッションID: A26
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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4つのアントラセン環をm-フェニレン鎖によって連結したナノチューブ構造の構築を達成した。まず、ジブロモベンゼン誘導体に根岸カップリング反応により2つのアントラセン環を結合した。次に、アントラセン環末端へのブロモ化の後、m-フェニレン鎖を導入したハーフチューブを合成した。そのトリフラート化およびボロン酸エステル化の後、クロスカップリング反応を行うことで、チューブ構造を構築した。
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坂東 勇哉, 羽毛田 洋平, 内藤 昌信, 前田 大光
セッションID: A27
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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π共役系アニオンレセプターであるジピロリルジケトンホウ素錯体は周辺修飾により、電荷種(レセプター-アニオン会合体および対カチオン)から構成されるイオン性マテリアルの構成ユニットとして機能する。アニオン誘起のキラル光学特性を目的としてレセプターのホウ素部位へ不斉ジオールユニットを、ピロールβ位をジヒドロナフタレン縮環したレセプター分子はアニオン会合にともなうピロール環ねじれに起因したアニオン応答性円偏光発光特性を示した。
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小林 健二, 蛭海 洋平, 石神 あすみ, 玉木 健斗
セッションID: A28
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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当研究室では、テトラホウ酸キャビタンドとビス(カテコール)エタンとの動的ホウ酸エステル結合に基づく分子集合キャビタンドカプセルの形成とゲスト包接を見出している。今回、(1)本カプセルのビス(アリールエチニル)アントラセン誘導体に対するナノ保護容器への展開、(2)テトラホウ酸キャビタンドと様々なビス(カテコール)リンカーから成るカプセル形成とゲスト包接、(3)2種類のカプセル間でのリンカー交換反応と安定性の比較、について報告する。
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西藪 隆平, 松島 由祐, 大江 慧, 石田 玉青, 春田 正毅, 久保 由治
セッションID: A29
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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ベンゼン-1,4-ジボロン酸と1,2,4,5-テトラヒドロキシベンゼンおよびペンタエリスリトールとのボロン酸エステルを介した高分子化はジオキサボロールからなるサブミクロン粒子の形成を導いた。固相混合法および析出還元法によりその粒子表面に担持された金ナノ粒子は,4-ニトロスチレンの還元反応においてニトロ基に対して選択的な還元触媒活性を示した。
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高田 久嗣, 菊池 雄二, 小野 公輔, 岩澤 伸治
セッションID: A30
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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我々は既に、テトラオールと1,3,5-ベンゼントリボロン酸との自己組織化によるかご型ボロン酸エステルの構築を報告している。今回我々はゲスト分子包接能の向上を目的に、ベンゼン環上にフッ素原子を有するトリボロン酸を用いて検討を行った。その結果、フッ素置換かご型ボロン酸エステルの構築に成功し、無置換体に比べ溶液中でのゲスト解離が非常に遅くなっていることを見出した。さらに、アミンの添加によりゲスト解離を大きく加速出来ることもわかった。
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高嶋 俊輔, 阿部 肇, 井上 将彦
セッションID: A31
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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エチニルピリジンオリゴマーとD糖とのキラルな会合体へ銅(II)イオンを添加したところ、340 nm付近の円二色性(CD)の増大が観測された。この会合体へさらにフェナントロリンを加えると、糖がオリゴマー内部から追い出された後もCDが保持された。ここへさらにL糖を添加する実験を行ったところ、D糖に誘起されたCDはL糖を加えた後でも長時間にわたって保持されることが分かった。
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尾谷 優子, 細谷 昌弘, 川幡 正俊, 山口 健太郎, 大和田 智彦
セッションID: A32
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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一般的に分子内水素結合の安定性は溶媒など環境に依存するため、水中で安定なヘリックス構造をできるだけ少ない残基数のオリゴペプチドで構築するためには、分子内水素結合によらない規則構造の構築・安定化が重要である。今回、橋頭位である4位に置換基を導入することで立体反発によりシス-トランス平衡をシス体に偏らせることを意図し、光学活性なβ-アミノ酸を設計・合成し、そのホモオリゴマーの構造解析を行った。X線結晶構造解析、1D/2D-NMR解析、円二色性(CD)スペクトルの結果から、本オリゴマーのアミドのシス-トランス平衡はシス体に完全に偏っており、最小単位である2量体から8量体まで鎖長や溶媒に依存しない堅牢なシスアミドヘリックス構造を形成することが強く示唆された。
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安藤 伸治, 太田 英輔, 小阪 敦子, 福島 孝典, 橋爪 大輔, 越野 広雪, 相田 卓三
セッションID: A33
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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オルトフェニレン(OP)類は、立体的な要因によりラセン構造を形成する。最近我々は、OP高次オリゴマーの合成法を見出し、種々の誘導体の性質について検討している。今回、末端に置換基を有するOPの構造に関する検討過程で、これらが非極性溶媒中では多数のコンホーマーの混合物として存在するのに対し、極性溶媒中では完全なラセン構造を形成することを見出した。高次オリゴマーではキラルHPLCによる光学分割が可能であり、その結果ラセンの動的特性を明らかにできた。さらに、OP類は完全なラセンを形成している場合とそうでない場合で、電気化学的特性が著しく異なることを見出した。
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灰野 岳晴, 貞廣 達也, 塩 秀美, 片山 進, 池田 俊明
セッションID: A34
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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カテコールユニットを二つ導入したカリックス[4]アレーンが金属配位により三重らせん集合体を形成した。超分子ホストはアミノ酸を部分構造にもつピリジニウムゲストを包接した。また,ゲスト分子の不斉によりホスト分子のらせんの巻き方向が制御される興味深いキラル誘起が観測された。Van’t Hoffプロットにより求めた熱力学パラメータから,アミノ酸の置換基の構造により,ホストゲスト錯体の安定性が大きく影響を受けていることが明らかとなった。
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伊藤 宏, 篠田 哲史, 築部 浩
セッションID: A35
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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3つのアザ芳香環(2-ピリジルメチルあるいは2-キノリニルメチル基)と1つのトリアゾールークマリン部位を側鎖に有するサイクレン金属錯体を合成した。Ca(II)錯体溶液に対してアミノ酸塩などのキラル源を加える事により、サイクレン部位に加えてトリアゾールークマリン部位に誘起CDが観測された。このような可逆かつスイッチング可能なキラリティー転写は、これらの金属サイクレン錯体が、外部不斉源からの不斉転写における効率的な中間体として働く事を示している。
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牧田 佳真, 池田 敬祐, 團野 智史, 藤原 眞一, 小川 昭弥
セッションID: A36
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
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我々は最近CTVとトレンと剛直な芳香族のスペーサーで構成されたヘミクリプトファンを合成した。また、亜鉛を空孔内に有する亜鉛内包ヘミクリプトファンを合成した。本研究では、亜鉛内包ヘミクリプトファンの 構造とMPCの加水分解反応の速度論的な研究、特に、亜鉛内包ヘミクリプトファンと空孔の無いモデル錯体との直接的な比較により空孔が触媒活性を向上させたことを明らかにしたので報告する。
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村瀬 隆史, 西島 悠輝, 藤田 誠
セッションID: A37
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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本研究では、カチオン性の自己組織化中空錯体を用いて、ナフトアルデヒドとメルドラム酸のKnoevenagel縮合を行った。アルデヒドを包接したカチオン性錯体は、錯体外部からのメルドラム酸の求核攻撃を促進し、アニオン中間体を安定化した。縮合生成物は錯体に包接されず、原料のアルデヒドとのゲスト交換が起きる。そのため、縮合は触媒量の錯体で進行した。
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山村 正樹, 飯田 昌也, 秋根 茂久, 鍋島 達弥
セッションID: A38
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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当研究室では、salen型配位部位を三つ有する大環状多座配位子を開発し、この配位子を用いた金属多核錯体の構築について報告してきた。三つsalen型配位部位で錯形成するだけでなく、配位子中央のO6配位部位において様々な金属と錯形成することができるため、特異な金属多核錯体を構築することができる。金属同士はアニオンにより架橋されているが、アニオン交換によるクラスター錯体の構造制御を検討したので報告する。
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