抄録
Martin-Ligandまたは拡張Martin-Ligandを2つ有する6配位リン化合物の最安定構造を決定するため,アルキル単座配位子の位にフェニル基を2つ導入したスピロホスホランを合成し,塩基と反応させた。NMRによる反応追跡から拡張Martin-Ligand系では一種類のみの6配位リン化合物が確認でき,Martin-Ligand系では2種類の6配位リン化合物の異性体が確認できた。X線結晶構造解析によりこれら六配位リン化合物の構造を決定した。以上の結果より,2つの系で最安定構造を形成する過程が異なることが示唆された。