抄録
ポリビニルカルバゾール中のエキシマーやカチオンラジカル二量体のモデル化合物として、我々は[3.3](3,9)カルバゾロファン誘導体について研究してきたが、その骨格は、二つのカルバゾール環の反転ができない程、剛直な構造であるためにエナンチオマーが存在すると予想される。部分重なり型[3.3](3,9)カルバゾロファン誘導体(スルホンアミド誘導体とシアンアミド誘導体)を合成し、キラルカラムにより光学分割を行った。また、CDスペクトルによりエナンチオマーに分離できたことを確認し、スルホンアミド誘導体についてはX線構造解析により絶対構造を明らかにした。