抄録
ナフトフルオレセインはフルオレセイン (1) と類似の骨格を含み、共鳴系がより拡張された構造を有する蛍光色素である。ナフトフルオレセインは 2 のみが既知化合物であり、他の構造異性体は合成されていない。そこで我々は、新規ナフトフルオレセイン 3 及びその構造異性体の合成法の開発を行った。そして蛍光特性を調べたところ、3 は水系塩基性条件下、フルオレセイン (1) よりも 250 nm 程度、既知ナフトフルオレセイン 2 よりも 110 nm 程度長波長の近赤外領域で発光することが判明した。