我々は、テトラアリルポルフィリン鉄錯体を共役酸化反応することで、リニアテトラピロールであるビリンジオンを合成し、これに無水酢酸と酢酸亜鉛を反応させることでオキサポルフィリン亜鉛錯体の合成を行った。オキサポルフィリンは、ナトリウムメトキシドやアンモニアなど、一般的な求核剤とも反応するが、一般的に弱い求核剤であるメタノールやエタノールやイソプロピルアルコールとも反応し、オキサポルフィリンが開環したビリノンが得られることがわかった。またこれまで報告されていなかった安定化された炭素アニオンであるアセト酢酸エチルエノラートとアセチルアセトンエノラートについて、他の求核剤と同様に反応し開環することがわかった。