2013 年 2013 巻 64 号 p. 153-156
開花開始期がほぼ同じ時期で子実の粒大が異なるダイズ品種を無防除で栽培し,マメシンクイガによる被害粒率を調査した.その結果,調査を実施した2009, 2011 および2012 年の3 カ年とも,有毛品種の被害粒率は品種により大きく異なり,子実の100 粒重が軽い品種で低く,重い品種で高くなる高い相関が認められた.一方,これらの品種について莢への産卵密度を調査したところ,品種間に有意な差が認められなかった.産卵密度に品種間差がないにもかかわらず,子実の大きさに関係して被害粒率が異なった原因は不明であるが,幼虫が莢へ侵入する際あるいは食入して以降の生存率が品種により異なっている可能性があると考えられた.